【どんと晴れ‼️】第3週あらすじ｜ハクサンチドリが咲かせた“おもてなし”の心【岩手・八幡平ロケ地】

「一輪の花が、誰かの人生を照らす。」――そんな静かな奇跡が、岩手の高原で咲きました。

NHK-BSドラマ『どんと晴れ‼️」第3週では、主人公・夏美（比嘉愛未）が一人の宿泊客との出会いを通して、“おもてなし”の本当の意味を見つけていきます。

老舗旅館・加賀美屋での女将修行が本格的に始まった夏美。

仲居頭・小野時江（あき竹城）のもとで、玄関掃除や下足番といった基本の仕事から再スタートします。

「おもてなしは、足元から。」

時江の一言が、夏美の胸に静かに残ります。

朝露に濡れた石畳を磨きながら、夏美は“お客様の一歩を迎える”という仕事の本質を学んでいくのです。

ある日、足を悪くした年配の宿泊客・吉田（山本圭）が加賀美屋を訪れます。

無口でどこか寂しげな彼が、夜の帳の中で夏美に語ったのは、ある一輪の花の名前でした。

「もう一度、ハクサンチドリをこの目で見たかったんだ。」

それは、八幡平の高原に咲く幻の高山植物。

短い夏の間だけ霧の中に姿を現す、紫紅色の蘭の花です。

吉田が加賀美屋にやって来た理由――それは、亡き妻と交わした“最後の約束”を果たすためでした。

その想いを知った夏美は、下宿先「イートハーブ」の仲間たちに相談します。

「この方の願いを叶えたいんです。」

若者たちは心を合わせ、吉田を八幡平へ連れ出す計画を立てます。

霧が立ちこめる朝の山道を進む一行。車椅子を押す夏美の手に、仲間の手が重なります。

そして霧が晴れたその瞬間――。

「これが…ハクサンチドリか。」

一面に広がる紫の花々。

吉田の目に、静かな涙がこぼれます。

それは、過去と今を結ぶ“ありがとう”の涙でした。

その横顔を見つめながら、夏美は静かに呟きます。

「人の願いって、咲かせる力を持ってるんですね。」

ハクサンチドリの花言葉は「美しい姿」「陽気」。

この花を通じて夏美が気づいたのは、“おもてなしとは、誰かの想いに寄り添うこと”でした。

旅館という場所は、ただ泊まるための空間ではなく、

人が心を整え、再び歩き出すための“記憶の宿”なのだと、夏美は感じ始めます。

岩手県と秋田県にまたがる名峰。ドラマの舞台となった八幡平では、6月中旬〜7月上旬にハクサンチドリが見頃を迎えます。

霧の中に咲く花々は、まさに“幻想の高原”そのもの。

📍実際に見られるスポット

・八幡平ドラゴンアイ付近

・焼山〜後生掛温泉ルート

・田代湿原（ハクサンチドリ群生地）

ラン科の多年草。花言葉は「美しい姿」「陽気」。

薄紫の花びらが風に揺れる姿は、まるで誰かの想いが形になったようです。